任天堂の岩田聡元社長の未公開インタビューが20年ぶりに登場した。このインタビューは2004年のE3で行われたもので、任天堂の新ハード導入に対する考え方、競合他社であるソニーやマイクロソフトに対する岩田氏の見解、1949年から2002年まで任天堂の社長を務めた山内博氏から会社を引き継いだ時の心境などが語られている。
岩田氏は2002年から2015年まで任天堂の社長を務めたが、インタビューではまだ社長になって2年しか経っていなかった。社長在任中、彼はゲーム業界とゲーム消費者の間で高く評価されるようになり、彼の死後、岩田聡への賛辞が多く寄せられるようになる。この頃、任天堂はDSを発売したばかりで、Wiiを発売するのはあと2年後だった。岩田が社長として1対1のインタビューに応じることは、「岩田に訊く」のコーナー以外ではほとんどなかった。岩田がインタビューに応じないにもかかわらず、廃業したゲームサイト「Kikizo」のアダム・ドーリーはこのインタビューを入手・収録し、20年後に公開することに成功した
。
30分のインタビューの中で、皆川泰弘氏が翻訳した岩田氏は、マイクロソフトやソニーとの競争について心配しているかどうか尋ねられた。「ソニーとマイクロソフトが考えている次世代ゲーム機に未来があるとは思いません。「そう思うなら、(任天堂も)同じことをしているはずでしょう?” 岩田氏はまた、ファーストパーティタイトルにもっと注力するよう促されていた宮本茂氏と、退任する任天堂の山内溥社長の役割の変化についても、任天堂の取締役会での位置づけや、当時の任天堂にどのように貢献したかを含めて語っている。
インタビュー 岩田と任天堂は重大な局面を迎えている
この時期は任天堂にとって大きな変革期だった。岩田社長が就任してまだ2年ほどしか経っておらず、DSが携帯ゲーム機市場を根本的に変えようとしていた。また、ソニーのプレイステーション・ポータブルも間もなく発売され、プレイステーション3もその直後に発売される予定だったが、Xbox 360も登場するまでには至らなかった。これらの競合他社を念頭に置きながら、岩田氏は任天堂がこれまでと違うことをしていること、そしてそれが一般消費者や任天堂ファンにとってどのような違いをもたらすかについて、細心の注意を払って語っている。
多くの任天堂ファンは、岩田が任天堂の開発者にインタビューするシリーズ「岩田に訊く」で彼を認識し始めたが、この特別なインタビューでは、任天堂の新社長に就任したばかりの彼が、2015年に亡くなるまでファンに愛されることになる、透明性とアクセスしやすさのイメージを築き始める様子を見ることができる。ドリーのインタビューは、任天堂の歴史の重要な時期における岩田を見ることができ、会社にとって魅力的な時期に入った彼の考え方を知る貴重な視点を提供している。